<事例紹介-1>:不動産比率が低く家庭が円満なBパターン
団塊の世代のAさんは、2年前に無事定年退職しました。
専業主婦だった奥様Bさんが堅実に家計をやりくりしてくれたことと、ある程度まとまった金額の退職金のおかげで
現在の預金残高は1億円です。
Aさんの財産は、預金以外は30年前に建てた郊外の1戸建てだけです。ローンの返済は終わっています。
今後の生活は、年金とすこしづつ預金を取り崩せば何の心配もありません。
最近、退職金を預けた銀行から相続税対策について様々な提案を受けていますが、何がベストなのか判断に迷っています。
Aさんの法定相続人は、永年連れ添った配偶者Bさんと一人娘のCさんだけです。Cさんは、昨年結婚しています。
ABさんは夫婦仲もよく、Cさんとの関係も良好です。
いずれすべての財産はBさん経由でCさんに相続されることからAさんは、急いで相続税対策をする必要もないと考えています
<対策>
このような事例の場合、Aさんが亡くなってもBさんが全財産を相続ずれば相続税は無税です。また、Bさんが亡くなるころには現在1億円の金融財産も有る程度目減りしていると考えられるので直ちに何か相続税対策をしなければならないというケースではありません。
Aさんは、Cさんの夫婦が今後自宅購入に向けてコツコツと貯金をしているのを知っていましたが、すこしでも若い夫婦に楽をさせてやりたいと考えていました。
一般的に住宅取得資金贈与という方法を考えがちですが一旦Cさん夫婦に住宅取得資金を贈与してしまうとそのお金は二度とAさんには戻ってきません。
ABご夫妻は、老後の介護生活がどうなるかわからないことを考えると手持ちの財産を多額に目減りさせることには抵抗がありました。
そこで、長期的な視点から相続税対策と資産の有効活用を実現させるために、Cさん夫婦のための新居をAさんの預金で買ってあげることにしました。
<対策の効果>
Aさんは、5000万円でCさん夫婦の新居をAさん名義で買いました。
<土地:3500万円 家屋:2500万円>
そして、Cさん夫婦からはAさんの銀行口座に近隣相場の家賃を振込んでもらうことにしました。
これによって、まずAさんの金融財産1億円は預金5000万円+土地2300万円+建物1050万円=8350万円の評価額に下がります。
Cさん若夫婦は住宅ローンから解放されてAさんの財産評価額も1650万円引下げることに成功しました。
Cさんのための住宅は、Cさんの夫が仕事の都合で転勤等あった場合、他人に賃貸することもできます。
あるいは、最終的に不要になった場合売却して現金化することもできます。
長期的に、家族内で資金を移動させるだけで相続税対策と円満な家族関係を実現させてハッピーな事例です
参考:住宅取得資金贈与のURL
http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/zouyo33.htm